なぜ論証パターンの単純暗記中心の勉強法がダメなのか。正しい勉強法とは

なぜ論証パターンの単純暗記中心の勉強法がダメなのか。正しい勉強法とは 勉強の仕方

みなさんこんにちは、Yoshi-(ヨッシー)です。

今回は、論証パターンの単純暗記中心の勉強法がなぜダメなのか。正しい論証パターンの勉強方法はどのようなものなのかについて、私の私見を紹介していきたいと思います。

はじめに

私は以前のブログで、私が暗記偏重の勉強法をしたのが原因で司法試験予備試験になかなか合格できなかったのかは、既にこのブログでも紹介しました。

そして、現実に論証パターンの暗記を中心にしているために、なかなか司法試験や予備試験に合格できない人は、実際少なくないです。

おそらく、4年以上も司法試験や予備試験に合格できない人の多くは、この論証パターンの暗記の沼にはまっていると思います。

特に、予備試験や司法試験の短答では得点できるが、論文試験では点数を取れない人は、この論証パターンの暗記に走っている可能性が高いです。

論証パターンについて、はじめに

以前の私のブログにも述べましたが、私は論証パターンそれ自体を否定するつもりはありませんし、論証パターンの暗記自体をすべきでないとは思いません。

特に論証パターンの暗記は、誰でも書ける有名論点(例えば行政法の処分性や原告適格など)では、時間をかけずに他の受験者に書き負けないために必要だと思います。

もっとも論証パターンの暗記に傾向する勉強方法は、間違っていると思います。

ここではまず、なぜその勉強方法が間違っているのかを紹介した後、私が思う正しい論証パターンを使った勉強方法を紹介したいと思います。

論証パターンの暗記中心の勉強法がなぜダメなのか

なぜ論証パターンの暗記中心の勉強法がダメなのかについては、もちろんこれは以前にもお伝えした通り、司法試験や予備試験が単なる暗記力を試す試験ではなく、理解力を試す試験であるからということはあります。

しかしここでは、もう少しなぜダメなのかその理由について、以下で詳しく述べて行きたいと思います。

論証パターンの暗記中心の勉強法がダメな理由 その1

まず、挙げられる理由は、そもそも司法試験や予備試験に必要なすべての論証を覚えることができないからです。

司法試験は、科目数が合計8科目とかなりあります。予備試験においては、法律実務基礎科目の2科目を単純にそれぞれ1科目ずつにカウントすると、10科目になります。

仮に各科目ごとの重要論点を単純に1科目40個と計算すれば、司法試験では320個も論証パターンを暗記することになります。

簡単に言えば普通の人間が1年近くもの晩御飯の料理の献立を覚えるようなものです。

320個もなんらの理解もなく、文章を覚えることは一般人の能力ではどう考えても無理です。

論証パターンの暗記を中心に勉強するということは、この320以上(現実にはこれよりも多いはず。また定義なども暗記するため、暗記量はさらに増える)の文章を力技で覚え切るという勉強法です。

論証パターンの暗記中心の勉強法がダメな理由 その2

次の理由として挙げられるのは論証パターンの暗記中心の勉強法では、あてはめが的確にできないからです。

まず、司法試験でも予備試験でも論文試験では、あてはめに大きな配点が振られています。

もちろん論証部分(規範の定立部分)にも一定の点数は振られていますが、あてはめほどは振られていないはずです。

また、基本的な論点であれば、司法試験や予備試験に合格する者であれば、誰でも書けるので、そこでは勝負はつきません。

そのため、やはり司法試験や予備試験の合否を分けるのは、あてはめと言えます。

しかし、単に論証パターンを覚えただけでは、規範までは書けたとしても、規範の内容が分からず、どのような要素やどのような事実に着目しなければならないか分かりません。

そのため、あてはめの段階で重視すべき事情を拾えず、注目すべきではないそれほど重要でない事実を使ってしまうことになります。

こうなると司法試験や予備試験の採点者からすれば、その答案を書いた受験者が単に論証パターンを暗記して貼り付けたことはバレバレです。

また、そのようなあさっての方向のあてはめの答案には、論証部分の点数が付いても、それよりも配点が大きいであろうあてはめ部分の点数はほとんど付きません。

論証パターンの暗記中心の勉強法がダメな理由 その3

次に挙げられる理由は応用問題、いわゆる未知の問題に対応できないことです。

基本的には、論証パターンで用意されている論証は、有名判例やある程度固まった学説を元に作られています。

しかし他方で、司法試験では(予備試験でもありうるが、司法試験の方が多い)判例の事例や重要論点を学ぶ上での教室事例がそのまま試験問題として出ることはほとんどありません。

そして論証パターンをそのまま書いても、そのような問題でには対応できません。

なぜなら、典型事例と少し内容をずらすことによって、出題者からすれば受験者の理解を問いたいからです。

つまりそのような問題で、単に暗記した論証パターンを張り付けて適当なあてはめをしても、出題者の意図に沿っていないため、ほとんど点数はもらえません。

論証パターンの暗記中心の勉強法の正しい勉強方法と具体例 その1

ここでは、論証パターンを使った正しい勉強法について、具体例を示して紹介していきたいと思います。

あくまでもこの正しい勉強法は、私の私見です。また先ほど述べたように、論証パターンは司法試験や予備試験の合格には何が何でも必須とまではいえません。そのため、ここで私が紹介する勉強方法は、もし論証パターンを使うのであれば、正しいと思う勉強法について紹介します。

まず、ここで具体例として、刑事訴訟法の同種の前科についての証拠(証明対象が犯人性の場合)の証拠能力が認められる場合の論証パターンを紹介していきたいと思います。

まず前提として、刑事訴訟で証拠として提出できるのは、証拠能力が認められる証拠に限られます。

そして、証拠能力が認められるためには、①自然的関連性と②法的関連性が認められ、かつ③禁止証拠でないことが必要になります。

そのうえで、同種の前科についての証拠の証拠能力については、②法的関連性が認められるかが問題となります。

論証パターンとしては以下のようになります。

同種前科についての証拠に法律的関連性が認められ、その結果証拠能力が認められるか。(この前提として、証拠能力が認められる条件が上記①から③であることと、本件では同種前科についての証拠に法的関連性が認められることになることについて言及する)

この点、同種前科についての証拠であっても、犯罪との因果的な結びつきは弱く、そのような証拠からの推認は被告人の悪性格の推認を経る二重の推認過程を経るものであることから、裁判官に不当な偏見を抱かせる危険性を有する。そのため、そのような同種前科についての証拠には法的関連性が認められず、その結果証拠能力が認められないのが原則である。

もっとも、そのような証拠であっても、犯罪との因果的な結びつきが強く、上記二重の推認過程を経るものではないため、裁判官に対する上記危険性を有しないといえる場合には、例外的に自然的関連性が認められると解する。

具体的には、①犯罪事実が顕著な特徴を有し、②公訴事実における犯罪事実と相当程度類似し、かつ③それ自体で犯人性を合理的に推認させる場合をいう。

以下あてはめ

論証パターンとしては、このような感じのものになると思います。これをそのまま暗記して試験問題で、出題されれば答案に張り付けるのが、論証パターンの暗記を中心とする勉強方法です。

しかし、何度も言うように、このまま暗記だけをしても、なかなか司法試験や予備試験には合格しません。

論証パターンの暗記中心の勉強法の正しい勉強方法と具体例 その2

私が考える論証パターンを使っての正しい勉強方法とは、この論証パターンをしっかりと理解した上で、暗記をすることです(理解してしまえば、正直なところ丸暗記をする必要はなくなりますが)。

具体的には、この論証パターンの内容を他人に説明できれば、論証パターンを理解したと言えます。

そもそも、同種前科についての証拠から認定できる事実は、被告人が過去に同種の犯罪を犯したことである。そして、過去に犯罪を犯したこと自体、別件である本件とは無関係であるから、同種前科についての証拠は、今回の事件との関連性は弱いと言える。

また、以前に同種前科を犯したことから、本件でも被告人が犯人であるという推認過程は、被告人は同種前科があることから、被告人はそのような犯罪を犯す悪性格を有する人間であり、そのような人間であるから、本件でもきっと犯人は被告人に違いないという、二段階の推認過程を経ることとなる。

しかし、このような悪性格を有することを推認して、そこから犯人性を推認することは、曖昧な根拠に基づく犯人性の推認であり、このような曖昧な根拠に基づく推認は危険な推認といえる。

そのため、同種前科についての証拠は、裁判官に誤った心証を与えるため、証拠能力を認めるべきでない。しかし、犯行態様が極めて顕著でありその犯行態様が本件と共通するのであれば、そのような特徴的な犯行を行う者はほとんど他にはいないといえ、そのことから、被告人が犯人であると言える。

このような犯行態様の特徴に着目する推認であれば、曖昧な根拠に基づく推認ではないから、前科についての証拠から、犯人性を推認しても良い。もっとも、単に犯行態様が同じであっても、その態様が誰でもできるようなものであれば、結局被告人が犯人であるとの推認力は極めて小さいため、曖昧な根拠に基づく推認ではないとはいえない。

そのため、前科についての証拠に自然的関連性が認めれられる場合とは、上記3要件が認められる場合を言い、ここでの顕著な特徴とは、その者でなければおよそできないような犯行態様を指す。

ここまでの理解が1通り他人に説明できれば、論証パターンを理解したといっても良いと思います。

論証パターンの暗記中心の勉強法の正しい勉強方法と具体例 その3

まず、上記のようにしっかりと論証パターンの内容が理解できれば、論証パターン自体を簡単に覚えることができます。

理解をしていないと、一言一句意味のほとんどわからない言葉の羅列を暗記するに等しいため、論証パターンを暗記する難易度はいきなり上がります。

さらに理解しているので、しっかりと一言一句まで暗記する必要はなく、試験本番では多少覚えていなくとも理解から自分の言葉で補うこともできます。

また理解しているからそこ、あてはめも正確にできるようになります。

例えば、上記の具体例とした論証パターンでいうのであれば、被告人の前科が地面から3メートルの高さをジャンプして、2階の窓から住宅に侵入し、室内を物色して金品を盗み、放火してから入った窓から飛び降りて脱出したという事例で、今回の事件も同様の手口であるとするという問題文だったとします(現実的にこのような犯行ができるかは別として)。

そうすれば、上記論証パターンの理解がしっかりできていれば、あてはめでは、室内に侵入して物色した後放火するとの行為が共通するとのあてはめでは不十分であり、重要なのは3メートルの高さをジャンプして窓から侵入したことをあてはめで使うことだとわかると思います。

この勉強方法の注意点

私はここまで、論証パターンを中心にして勉強をするのであれば、論証パターンを暗記するのではなく、理解すべきであると言ってきました。

もっとも、司法試験や予備試験の科目数は8科目とかなり科目数が多いため、論点の数もそれなりになります。ここで注意しなければならないのが、すべての論点を完璧に理解をする必要は、司法試験や予備試験の合格には不要ということです。

私も司法試験や予備試験に合格した時は、すべての論点についてしっかりとした理解まではしていませんし、一部論証パターンの完全暗記で乗り切った論点もいくつかありました。

また、理解を深めることは良いことですが、論文集や判例解説まで手を出し始めると時間がいくらあっても足りません。これは暗記偏重とは逆の方向での司法試験の沼にはまってしまいます。

たしかに論文集などは深い理解にはかなり有用ですが、司法試験や予備試験の試験ではそこまで深い理解は問われていません。目安としてはご自身が持っている基本書レベルのことを理解して、ある程度論証パターンの内容を理解していれば十分です(決して基本書をすべて理解しろという意味ではないので注意)。

まとめ

本当に、論証パターンの暗記を中心にするという勉強方法は、単に論証内容を暗記すれば良いので、勉強方法としてはかなり楽なものと言えます。

しかしそのような暗記中心の勉強方法では、いつまで経っても司法試験や予備試験に合格することはありません。

論証パターンの暗記という、いわば安易な勉強方法に走ったために、司法試験に合格せず人生を棒に振ったような人もいると思います。また、本当に誤った勉強方法では合格しないのが司法試験であり、正しい勉強方法は1つではないにしても、その幅は大学受験や他の試験と比べて狭いです。

これが司法試験や予備試験の闇が深いと言われる所以でもあります。

このブログが少しでもみなさんの合格に役立てれば幸いです。

Yoshiー(ヨッシー)

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