みなさんこんにちは、元塾講師のYOSHI-(ヨッシー)です。今回は、前回に引き続き、なぜ私が司法試験予備試験に合格するまでに、6回もかかったのかその原因と司法試験予備試験の沼について紹介していきたいと思います。
私の司法試験・予備試験の受験歴については、前回の前編に書いてあるので、もしよろしければ読んでみてください。
私がここまで、予備試験に落ち続けた理由。私がはまった司法試験の沼②
次に私がハマった司法試験の沼は、過去問軽視、予備校の答練重視でした。(ここでの答練とは過去問以外の予備校のオリジナル問題を使った答練を言います。)
私は、予備校の基礎講座を終えて、論文講座を経てそのまま予備試験の論文の答練を受けました。
その当時は予備試験の合格のための勉強方法が分からず、成功体験のある法学部の編入試験と同じ方法を行いました。
それはとにかく、問題のパターン化でした。そしてそんなパターン化をしやすかったのは、予備校の答練でした。
当時の私は、答練の問題を自己の中でパターン化し、そのまま模範答案部分を論証パターンとして暗記しました。
例えば、この問題であれば、民事訴訟法の処分権主義が問題になると思い(ここでは論点抽出というよりも、もはや答練の問題を覚えていました。)、そのまま処分権主義の理由を書いて、要件を書くといった感じでした。
そもそも理由(処分権主義であれば、私的自治の訴訟法的反映というもの)の理解はできておらず、単なるマジックワード化していました。(この辺りは、前編でも触れた暗記中心主義にもつながります。)
当時の私からすれば、答練はこなさなければならないタスクであり、解説の講義や答案の採点もされることから、過去問よりもとっつきやすかったため、過去問ではなく予備校の答練を重視してしまったのだと思います。
なぜ、答練を重視し、過去問を軽視してはいけないのか
私が、答練を重視していたころ考えていたことは、どうせ過去問は過去問であって、直近の過去問からそのまま、自分の受ける予備試験には直接でないのであるから、(これは初学者が陥りがちなミス)答練の方がとっつきやすく試験対策としては効率が良いということでした。
また、答練であってもそれまでの過去問を、予備校が分析していることから大きく過去問から傾向は外れず、過去問も傾向を掴むのは答練で十分であるとも考えていました。(ある意味大学の共通試験では間違えではない)
しかし、それでも予備試験の論文試験本番になると、点数が取れませんでした。(もちろん、原因は前編でも触れたように暗記重視のため基本論点の抽出ができなかったことにもあります。)
これはある意味予備校の限界の様なものなので仕方ない部分ではあるのですが、答練の問題は司法試験や予備試験ほど練られていません。そもそもこれは予備校が悪いのではなく、試験本番の問題は複数の試験委員という、いわば問題作成と法律知識の専門家が1年に1度の試験のために1つの問題を作り上げます。
そして本番の問題は、その年の渾身の1問と言ってもいいようなものです。他方で、予備校の答練は数人の予備校の講師やスタッフの方々が、1年間に様々な科目の問題を大量に作ります。そのため、どうしても予備校の答練と本番の試験問題の間には、大きな差が生じてしまいます。(特に司法試験の本試と予備校の答練の差は大きい)
また、答練では最新の判例をベースにして受験生にとっての未知の問題も出ることがありますが、その大部分は、基本論点や基本に近い論点をベースにしています。そのため答練の問題は、本番の試験と比べて論点が分かりやすかったり、未知の問題でもそれほど現場思考が必要でないものが多いです。
さらに、予備校の答練には独特の傾向や出題の癖があります。例えば特定の判例を題材にしたものが2年に1度は出たり、論点抽出のための手掛かりとなる事情が似通っていたり(この手がかりが試験本番と似ている場合もあるが、常に似ているとは限らない。)します。
そのため、答練の傾向に慣れ過ぎて過去問をまったくしないと、答練では点数が取れるのに試験本番では点が取れないということに陥りやすいです。
一言でいうのであれば、あくまでも答練は基本論点の処理や試験の雰囲気(時間や形式)になれれるものに過ぎません。逆に本番でどれぐらい書けるのか、どれぐらい書ければおおよそ合格できるのか、どのようなことを試験委員が知りたいかを知ることができるのが過去問であると言えます。
私が思う過去問と答練の扱い方
ここからは、私が思う答練と過去問の扱い方につて紹介していきたいと思います。
答練の扱い方について
ここまで、過去問軽視は司法試験や予備試験の不合格の主たる要因になると述べてきました。しかし、そうであれば、過去問ばかりしていればそれで良いと私はそうは思いません。
別に答練でなくてもいいですが、旧試の過去問予備校の問題集などで基本論点の書き方や問われ方、処理方法を学習しておく必要はあります。
さらに司法試験や予備試験の論文試験の出題形式は教科によって頻繁に変わります(例えば、憲法で三者間が、二者間になったり、刑法で学説対立問題が出たり、単なる罪責を問うだけであったりと)。
そしてその場合には、答練が新しい問題形式を反映していたりします。そのため、新しい問題形式に慣れるために、答練は有用です。
また、最近ではコロナ対策の観点から難しい面もありますし、社会人の方にとっても時間的に難しいですが、やはり時間を測って答練の会場で司法試験や予備試験の形式の問題を実際に解くのは、時間の使い方や時間がぎりぎりの場合での対処を学ぶ最良の機会になります。
これは答練限定ではありますが、合格者に自己の答案を見てもらうことや、実際に書いてみてどの様に書けばよいかを質問することも重要な機会だと思います。(この辺りは答練でなくとも、個別指導などでもできますが。)
過去問の取り扱い
先ほども述べたように、逆に過去問は自己の実力と合格基準額どれぐらい離れているのか、本番であればどれくらい書ければ自分は合格できるかを知ることができるものです。
とりわけ、過去問には、再現答案がでており、おおよその合格者であればどれぐらい本番で書けたのか、ということを知ることができます。また、そこから試験本番であればどれくらいのことが書ければ良いのかと言ことが分かります。
さらにこれは司法試験でより顕著ですが、出題の趣旨などから何を試験では問うているのか、試験委員は何を求めているのかを知ることができます。
後、私の感覚ではある程度模範解答や出題の趣旨に近いことが書けるようになり、大きく答案の筋を過去問で外さないようになると、合格は近いと思います。
そのため過去問をすることにより、実際の自身の立ち位置を知ることができます。
結論
結論から言えば、まずは過去問を5年分ぐらいやりつつ、答練や他の問題集も並行して行うことがおすすめです。特に、定期的な答練を受講している人は、答練をペースメーカー的に使うと良いと思います。
そして、過去問が5年分終われば、科目や自身の勉強の進捗状況により、さらに過去問を行うか、答練や問題演習を行うかは人それぞれだと思います。
私が予備試験に合格した年は、私は、過去問を6年分やりつつ、定期的な答練を受けていました。そして、過去問が6年分終わった時点で、出来なかった過去問のみを復習し、後は定期的な答練と他の問題集を使った苦手分野の対策を行いました。
結局私が言いたいことは、どこかで必ず5年分ほどは過去問を解くようにしてくださいということです。間違えても、答練や重問だけをすれば、大丈夫だとは思わないでください。
まとめ
前回に引き続き、私がハマった沼という観点から、予備試験の敗因を紹介してきました。
書いていて思ったことは、私の場合はやはりメインの敗因は前編で書いた暗記偏重だったと思います。
そして、サブ的な要因として、過去問軽視が挙げられます。しかしサブとは言っても、過去問を早い段階である程度行っていれば、きっと暗記偏重では合格できないことに確信を持ち、もっと早い段階で軌道修正できたと思います。
そのため、二つの敗因は密接に結びついており、サブ的といっても決して小さくない敗因だったと思います。
みなさんにとって少しでも私の記事が役に立てば幸いです。最後までブログを読んでいただきありがとうございます。
Yoshi(ヨッシー)
コメント